インドネシアの熱帯林では近年の急速なアブラヤシ農園の広がりにより、以下の7つの問題が起きています。
環境面 1. 熱帯林、特に炭素貯蔵量の多い泥炭湿地林の消失
2. 絶滅のおそれのある野生生物、生物多様性の減少
3. 伐採、森林火災による温室効果ガスの大量排出(整地のための焼き払いによる)
4. プランテーション開発と栽培による土壌、水、大気の汚染
社会面 1. 森林に依存する先住民等との軋轢(あつれき)
2. 農園における劣悪な労働環境、人権侵害
3. 周辺住民と生息地を奪われた野生動物(ゾウ、トラなど)との衝突
(WWFジャパンHPより引用)
以上の問題を引き起こすアブラヤシ中心の土地開発に歯止めをかけ、問題解決のための大きな可能性を担っているのががテンカワン、そしてテンカワンを軸にしたアグロフォレストリーの森づくりなのです。
テンカワンはインドネシアのカリマンタン島、スマトラ島の熱帯雨林に生育する樹木です。
樹高30m、直径2mを超えるこの樹木の実は良質な油脂を豊富に含み、チョコレートに使うカカオバターの代替油脂として知られています。
しかし、これまで結実周期が5年以上と不安定なことから、現地でその油脂を搾る工場は一つしかありませんでした。それが近年になって毎年結実する種類が見つかり、2015年、もう一つ工場が建てられました。
このテンカワン油脂をもっとマーケットに乗せ、アブラヤシの単一林になりかかっているインドネシアの森林をもう一度かつてのような豊かな生態系を持ったものに戻そうという動きが活発になっています。
日本でもその動きを後押ししようと、テンカワンについてのサイトを作りました。
みなさんのテンカワン理解の一助になれば幸いです。
テンカワン普及ネットワーク
日本支部 広若 剛